欧州サッカー観戦便利帳
LCC(ローコストキャリア)でヨーロッパ中を安く移動するその2
欧州の格安航空会社のその後
格安航空会社(以下LCC= ローコストキャリア)を知ってから数年してから初めて乗ったのがイージージェットでした。もうあれから何年が過ぎたでしょうか。(「LCCで欧州内を安く移動する」参照)今やLCCは欧米では当たり前になっています。また大手航空会社も旅行代理店経由の販売から脱却し利用者へのダイレクトセリングが主流となっています。またその大手がLCCを買収して小会社化したりして自らが格安航空会社を運営するケースも出てきています。リーマンショックで世界的な不況、日本でもこの不況はJALを破綻させました。世界のなかでも日本の不況は本当に深刻ですがそんななか1円でも安く、また便利で安全な移動が出来るLCCを利用して久しぶりに欧州内を旅行してみました。以前とは違ったサービスもあり新たに感じた事を今回はお伝えしたいと思います。
オプションで多用的な旅行へ変身
LCCのメリットはもうご存知のように安いという事に尽きます。それではデメリットは何かといえば時間帯の悪い出発、マイナーな空港、席が選べない、食事が出ない等々がありましたがその様子も今や様変わりしつつあります。先日パリからバルセロナ、バルセロナからマドリードまで乗ったのがVUELINGです。この会社はもともとLCCとしてあったものをイベリア航空が小会社化して運行しているもの。空港は大手の使用する空港に乗り入れLCCだからと言っても何ら遜色がありません。そして先ず予約の段階で驚いたのは預け入れ荷物が全て有料である点。欧州内を短期的な旅行する人にとってはそれ程荷物も多くないのですが日本から乗り継いで利用する場合には手荷物だけという訳にはいきません。確実にチェックインバゲージが出ますが久々に搭乗して浦島太郎状態でしたがこのVUELINGだけでなく今やどのLCCも有料となっているようです。これと連動して機内手荷物も厳格にチェックをされます。少し大きめのバッグを持っているとほぼ100%チェックをされ大きさが許容を超えていれば強制的に有料でチェックインさせられる訳です。
去年の暮れ日本の国内線の各航空会社も機内手荷物の持ち込みの厳格化が報道されました。しかしこれは収益の確保ではなく大きな荷物の持ち込みを制限してスムースな運行の妨げにならないようにするため。欧州LCCのようにスムースな運行、収益の確保の両立が出来ればデフレで片方だけが苦しむのではなく航空会社にとっても、搭乗者にとっても双方がより良い方向へと進むのではないでしょうか。
イベリア航空が小会社化したVUELING
そして今回更に驚いたことには優先搭乗や、希望の席の確保までオプションとしてリストアップされていたことです。ちょっと日程的にハードだから余裕のある席にしようだとか、前よりの席が好きだからそこを確保しょうであるとかもお金さえ払えば出来てしまうのは逆にそれを重要なファクターと考えるお客様にとっては非常に便利なサービスに映ります。必要のないお客さんにとってもチョイスの幅が多いことは決して悪いことではないと思いました。そしてパリのオルリー空港からスペインへの旅行で利用したVUELINGは全く問題もなく、不都合もない素晴らしいフライトでした。但し席が狭い!これは致し方ありませんが。またチェックインは40分前までに済ませないとキャンセル、または搭乗を拒否されますので早めに空港へ向かう必要があります。
搭乗を待つお客さんの列
さてスペインを周った後にロンドンまでの空路で使ったのがライアンエアでした。イージージェットと並ぶLCCのシンボル的な会社ですがマドリードからロンドン・スタンステッドまで搭乗しました。こちらは比較的オーソドックスでシンプルなサービスでした。ただこれはどこのLCCでもそうですが余り早くから搭乗手続きをしないというところが多いためやはり長距離を移動する日本からのお客様にとっては不便な点があります。
チェックインが出来るまで大きな荷物を持っていなければならないため時間を有効に使う事が出来ません。早めにチェックインしてゆっくりお茶を飲んだり、買い物をしたり、トイレに行ったりという事が難しいですね。ただ私のような一人旅ではなく夫婦やカップル、友達同士の旅行であればお互いが融通しあって時間を有効に使えますのでそれ程の不自由さは感じないかもしれませんね。
イギリスの各空港は欧州内からの移動でもEU圏内の居住者でなければ入国チェックがうるさく、あれやこれやとねちねちと聞かれます。これがいつも憂鬱です。今回ロンドンではスタンステッド空港に着陸しました。空港は混雑しておらずビクトリアまでスタンステッドエキスプレス一本で行けますが距離があるため結構時間が掛かりました。
スタンステッドエキスプレスでビクトリアへ
そしてロンドンを経由して列車で最後の目的地、イギリス第2の都市となるバーミングハムへ向かいました。ここで所用を済ませてパリへ戻るのですが今回はFLYBEを利用。ご存知バーミングハムシティーのスポンサーにもなっているLCCです。しかし私にとってはこのFLYBE は試練のフライト。それと言うのも飛行機嫌いで怖いのが大嫌いな私はプロペラ機や小さな飛行機を苦手としているのですが今回搭乗したのがボンバルディア社製の双発機でした。(今回搭乗したのは左写真)
空港のあるバーミングハムインターナショナル駅はバーミンガムより数駅先
最寄り駅のバーミングハムインターナショナル駅に降りるともう空港はすぐそこです。LCCは対面でのチェックインが比較的多いのですがバーミングハムでのFLYBEは全てセルフチェックインの機械で済ませられるシステムです。最後だけボーディングパス(立派なのもではなくプリントしてある薄い紙切れです)を持参してカウンターへ行き荷物を流し込む作業が必要ですがほんとセルフチェックイン機が使えると便利ですね。余談ですがフランスでエアフラに乗ったり、イギリスでBAに乗る場合はほとんどこのセルフチェックイン機ですので便利です。
バーミングハム空港のラウンジ
今回欧州内の4つの空路でLCCを利用しました。とても満足のいく内容でした。コストパフォーマンスも高く大変満足はしましたが機内のサービスは無いに等しいですしまた欲しい場合は有料です。こんな時にあって良かった「PRIORITY PASS」でした。搭乗前の時間を有効に使うことが出来スナック類、ウイスキー類、ソフトドリンク類もほぼ間違いなく無料で提供さあれていますのでほんの少しの時間でもこのサービスがあるだけで本当にほっとさせられます。
今回はパリからスペイン、イギリスを周りパリへ戻るという短い期間の旅行でしたがぜひ皆様も機会があればこのLCCを利用されてはいかがでしょうか?今迄の旅行に更に幅が広がることでしょう。
手前から2つ向こうが搭乗するボンバルディア機
(ラウンジより)
注)記事に関するお問い合わせはお承り出来ませんのでご了承下さい。